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発表された政府の方針から今後の人事労務の流れをつかむ

令和6年6月21日、「経済財政運営と改革の基本方針2024 ~賃上げと投資がけん引する成長型経済の実現~」(骨太方針2024)が経済財政諮問会議での答申を経て、閣議決定されました。
骨太方針は、政府の経済財政政策に関する基本的な方針を示すとともに、経済、財政、行政、社会などの分野における改革の重要性とその方向性を示すものであり、人事労務分野にも大きな影響を与えるため、その動向をつかむうえで参考になります。
そこで、以下に骨太方針2024から人事労務に関係する事項をピックアップいたします。

発表された政府の方針から今後の人事労務の流れをつかむ

★賃上げの促進

・最低賃金について、2030 年代半ばまでに1,500 円となることを目指す目標のより早期の達成
・非正規の正規転換、「年収の壁・支援強化パッケージ」 の活用、被用者保険の適用拡大、男女間賃金格差是正等
・公的サービスである医療・福祉分野等における賃上げ
・建設業、トラック運送業等の賃上げ、労務費の基準及び標準的運賃の活用、農林水産業・食品産業での合理的な価格形成、新たな法制度等

★三位一体の労働市場改革

・全世代のリスキリング(教育訓練給付の拡充、団体等検定の活用等)
・ジョブ型人事(職務給)導入のための指針作成
・成長分野への労働移動を円滑化する、求人・求職・キャリアアップに関する情報の整備・集約、各種情報を可視化するプラットフォームの整備
・労働市場改革を進めるための国民会議の開催の検討等

★価格転嫁対策

・サプライチェーン全体での「構造的な価格転嫁」の実現(独禁法等の執行強化、下請法改正の検討、約束手形廃止に向けた工程の検討等)
・「労務費指針」の周知徹底、交渉用フォーマットの業種の特性に応じた展開・活用
・官公需の期中の契約変更等への対応のための予算確保、最低制限価格制度等の適切な活用

★人手不足への対応

・カタログ型の省力化投資支援 ※
・人手不足感が高い業種(運輸・宿泊・飲食等)における自動化技術の利用拡大のための自主行動計画の策定、リスキリング
・人手不足の資格職等での「分業」の推進
・大企業による中堅・中小企業との協働の奨励、新技術・商品の共同開発、副業・兼業を通じた人材派遣等
※カタログ型の省力化投資支援:IoT、ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品を「カタログ」に掲載し、中小企業等が選択して導入できるようにすることで、簡易で即効性がある省力化投資を促進する。

以上の事項を踏まえ、会社の実情に合わせて柔軟に解釈し、具体的な施策に落とし込んでいくことが重要となります。
なお、詳細は以下の文書をご覧頂ければと思います。

経済財政運営と改革の基本方針2024(骨太方針2024)@内閣府
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/honebuto/2024/decision0621.html

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更新日|2024 08 05

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