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改正健康保険法のポイント「傷病手当金の支給期間通算化」

6月に健康保険法が一部改正されました。
この改正に伴い、傷病手当金について、出勤に伴い不支給となった期間がある場合、これまではその期間も含めて最長1年6ヶ月の支給期間となっていましたが、改正後は、出勤に伴い不支給となった期間を延長して支給を受けられるよう支給期間が通算されるようになります。

文章だとわかりづらいと思いますので、後半、図を用いて説明いたします。
なお、施行日は令和4年1月1日です。

傷病手当金とは

会社で健康保険に入っていると、病気などで休んだときに傷病手当金が受けられます。
20代30代のときは関心がなくても、40代以降になると病気で入院する場合なども出てきますので、傷病手当金の存在は重要です。
その際、会社から給料がもらえなくなっても、協会けんぽ(主に中堅中小企業が加入)から月給の約3分の2をもらえるのは非常にありがたいものです。
会社が申請し、傷病手当金が入った後、中には、感謝で態度が変わる方もいます。やはり困っているときに手助けしてもらったことは忘れないものです。

ちなみに支給要件は、以下の要件をすべて満たす場合です。

・業務外の事由による病気やケガのため療養中であること
・仕事に就くことができないこと(労務不能)
・3日間連続して仕事を休み、4日目以降にも休んだ日があること
・休業した期間について給与の支払いがないこと
(詳細はご確認→協会けんぽHP https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3040/r139/ )

今回の変更点

今回の法改正で変更となるのは、「傷病手当金の支給期間」です。
これまでは、以下の図のとおり「支給開始した日から1年6ヵ月」であり、この1年6ヵ月には出勤期間も含まれるため、入退院を繰り返すような場合は、十分な保障を受けられないケースがありました。

この点、令和4年1月1日以降は、「支給期間を通算して、1年6ヵ月を経過した時点まで支給される」ことになりました。

すでに共済組合(公務員等向けに、民間の健康保険に代わる給付などを行う)では通算化が認められていましたが、今後は健康保険でも同様の支給期間の考え方を採用することになりました。

改正健康保険法のポイント「傷病手当金の支給期間通算化」

出典:厚生労働省「第127回社会保障審議会医療保険部会(ペーパレス)資料
   資料1傷病手当金について https://office-arai.com/blog/pdf/20210716.pdf

以上のとおり、がん治療やメンタル不調など、同一の疾病・負傷で休職・入退院を繰返した場合に、傷病手当金が通算して1年6ヶ月まで受給できるようになります。

最後に

今回の改正は、現役世代の給付の充実を目的とした、全世代型社会保障改革の一環となります。
4月より70歳までの就業確保の努力義務化が始まりました。
シニア社員の方々が増える中で、もしもの時の傷病手当金が改善されることは、より安心して仕事に専念できる環境が整いつつあるとプラスに考えています。。。

参考リンク
○厚生労働省「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案の概要」
https://office-arai.com/blog/pdf/20210716_02.pdf

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更新日|2021 07 16

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